六章・初めての月経カップ篇






今年は自分へのお年玉として、「Diva Cup」を買ってみました。なので、そのレポをば。

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Diva Cup というのは、月経カップの一商品。
月経カップとは、ナプキンでもタンポンでもない生理用品で、乳型(円錐形)のシリコン製のカップを、膣内に装着して使用するもの。
カップが体内で、流れる血液を受け止めてくれるというわけ。
実は、「生理用品ミシュラン」というからには、一度はこれにチャレンジせねばなあ、と思っていたのだった。
以下のサイトに詳しい説明があります。

wikipedia:月経カップ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E7%B5%8C%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97

ディーバカップ 取り扱い説明など
http://divacup.jp/manual.html



こんな便利そうなものをなぜ今まで使わなかったのか、といえば、大きな理由はふたつあって、まず、日本の店頭では入手困難であること。
月経カップは、欧米ではそこそこメジャーなのかもしれないが(といってどれくらい使われているかは知らない)、日本では製造されておらず、入手しようとすると通販になる。(興味ある方は検索してみれば、通販サイトはすぐ見つかると思います。楽天や、北原みのりさんのラブピースクラブでも扱われていた筈。昔はディーバでなく「ムーンカップ」が主流だったが、最近こちらは買えなくなった模様。)
もうひとつは、値段が高価であること。
ナプキンなら一パック400円程度で買えるところが、月経カップは一個3000円ほどもする。
しかし考えてみれば、使い捨てナプキンは毎月消費するのに対し、カップなら繰り返し洗って10年以上使用できるというのだから、一年使えば充分もとはとれるわけである。
ならば閉経までにできるだけ早く試したほうがよかろう。この頁の更新のためにも…!
というわけで、通販で買ってみた。

届いた。



カナダ製。専用ポーチとピンバッジのおまけ付き。なんかいいにおい。
まず、見ての感想は、「でかい……使えるのか?」ということでした。
サイズは、MとLがあり、サイトによって、処女/非処女、出産経験なし/出産経験あり で分けられていたけれど、日本人ならとりあえずMを買っておいたら間違いないんではないかな。わたしはMを購入。

そして、出血が始まったので、いよいよ装着。
やはりでかいような気がする…。
しかも、スムース・インな形が追求されているタンポンと違って、人体に入れるに適した形状ではない。




説明書によると、二つに折り曲げて挿入するとのことでそれに従う。途中、挫折しかけるが、自分の身体に優しくとかいう考えを捨てて非情になることにしたら、装着できた。



そして! 一度装着してしまうとなんと快適!
タンポン以上の装着感の無さである。
なんといっても、ナプキン装着時の外に流れ出る気持ち悪さが一切なく、じゅくじゅくしない。
動きも自由だ。これなら寝返りも打てる!(普段生理中は漏れ防止のため就寝時も仰向け姿勢で固定されている。このためお尻と腰が痛くなるんである。)
最初なので、たまに、ずれてないかな?と心配になるほかはいたって快適。排尿時に、尿につられて位置がずれたような感じがしたけど、大丈夫だった。

この日は結局、正午〜夜10時ころまで装着。
最後、ちょっとだけ漏れたが(ずれたのかキャパオーバーしたのか不明)、あとはトラブルもなく無事だった。

で、いよいよ装着解除である。
風呂で抜き取ることにする。
……が、なかなか取れない。次第に焦り始める。これ、自力では無理ちゃうのん……明日の朝、婦人科にいって「とってください」って言わなあかんのちゃうのん……いや、それはいやだ。
5分ほど、うんしょうんしょ、と格闘し、なんとか取れた。
なんで私風呂場でこんなもん産んでるんやろう……とむなしくなってきた。
しかし、抜き取ったものを見て感動! ちゃんとカップになみなみと血液が溜まっている!
受け止めてくれたんだね!
カップにはメモリがあるので、どれだけの量出血したかも確認することができる。よう考えれば、普段の、ナプキンに吸収させてそのつど捨てる形式では、己の出血であるにもかかわらず、自分がどれだけ出血したのか皆目分からないのだよね。

赤い血液はとろりと綺麗に見えて、捨てるのが勿体無い。
ナプキンについた血は汚く見えるのに。ふしぎなもんだ。
以前、カップに溜めた血で絵を描く経血アートを見たことがあるけれど、なんかに使いたくなる気持ちが分かる。そのうちわたしもやろう。


というわけで、月経カップ。
使ってみての感想は、とかく驚くほど快適。これまでの20年の生理歴はなんだったんだ……と言いたくなる。
ひねもす漏れないように気を遣い、動きも制限され、頻繁にトイレに通い……あの不快の日々。
一方、欠点は、やはり装着・解除が難儀なことだ。正直痛い。
だが、ナプキンもそうだったように、慣れればコツが見つかるのかもしれない。ネットで調べてみると、いろいろ工夫が書かれているのも見つかった。あと、初回は装着が深すぎたような気もする。ので、これはあくまで初回の感想ということで。
その他の欠点としては、Wikiにも書いてあるように、個室の中に水道設備のない公衆トイレなどでは洗浄ができず不便だと思う。わたしは風呂で取り出したからよかったけれど、外出時に取り出したくなったときはちょっと困る。
とまあ、そんな感じです。いちおう星四つってことで。★★★★☆。

日本ではまだまだマイナーだと思うけれど、面白いので、ためしに使ってみられてはいかがでしょうか。
オマケのピンバッジは、とりあえずポーチにつけました。かわいい。(2011/01)




※追記:その後の使用報告は、第八章をご参照ください。




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